観察期間の終わり~タラちゃんが撃退した犬のこと~

人を噛んだ犬が、すぐに処分されることはない。
狂犬病の有無を確かめる必要があるからだ。
隔離して、10日間観察することになる。

あの犬も、カリフォルニアのシェルターで、その10日間を過ごしている。


動画の日付が13日だから、今日23日で観察期間が終わる。
日本時間だと24日だろうか。

この犬を待つ運命に、胸を痛める人は多い。
犬が悪いんじゃない。飼い主が悪いんだ。
助命の嘆願、引き取りの申し出など、殺到しているらしい。

一時はツイッターで「処分は保留になった」という情報もあったが、ソースを探しても見つからなかった。
狂犬病判定の観察のことを勘違いしたのかもしれない。

現地のシェルターでは、引き取りの申し出があっても渡さないそうだ。
Officials explain why dog can't live after attacking boy
誰も噛んだことのない子たちでさえ、里親が見つからなくて、毎年たくさんの安楽死をしなければならない。
本当にチャンスを与えたいのはその子たちだ、と。


曽野綾子さんの「時の止まった赤ん坊」を思い出す。
1200gの未熟児。
マダガスカルのその産院では、ボンベに半分の酸素があるだけ。
いつ補給できるかもわからない、貴重な酸素。
生きる見込みのない子にはあげられない。

「しかし大した子だな」
小木曽は独り言のように言った。
「一キロいくらしかないくせに、そういう形で人に命を譲って行くんだな」
「そうですのね。私たちの誰もやれないようなことを、あの小ささでして行くんです」
「悪い一生じゃないね」

時の止まった赤ん坊(下) 新潮文庫版p129~130より引用

あの犬も、そういう形で他の犬猫に椅子を譲って行くんだな。


安楽死は麻酔だろうか。

全身麻酔で手術を受けたことがある。
先生が「1、2…」と数を数え始めて、3まで数えても全然眠くならなくてオイオイと思った次の瞬間、名前を呼ばれて「終わりましたよ」だった。

眠ったというよりタイムワープしたような感じで、お腹に穴を開けられて中をかき回されたというのに、何もわからなかった。
もし手術中に何かあって死んでたとしても、きっと痛くも痒くもなかった。


苦痛のない旅立ちでありますように。
 
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